株主の皆様には、平素より私どもINPEXグループの事業活動についてご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。
2025年度の上期におきましては、主要プロジェクトであるイクシスの生産は好調でありますが、今後も安定的な生産を維持するために8月中旬よりシャットダウンメンテナンスの実施を予定しています。また、中東情勢や原油価格動向への注視は必要であるものの、当社は2025年度から2027年度を対象とした中期経営計画において、1株当たり年間90円を起点とする累進配当と機動的な自己株式取得を含む総還元性向50%以上を株主還元方針としており、これを堅持して参ります。
近年、エネルギー業界を取り巻く環境は大きく変化しています。これまで中心的な課題であった脱炭素化に加え、エネルギーの安全保障や十分な量と適切な価格による供給の重要性が高まっているだけでなく、これらの三要素を同時に推進する必要性が広く認識されるようになりました。また、国際的な政治状況の変化により、エネルギーをめぐる不確実な事業環境への備えも一層重視されることとなりました。
このような状況の中、天然ガスやLNGは、化石燃料の中でもCO₂排出量が少ないことを背景として、長期にわたり活用できる、現実的な解決策として広く認識されつつあります。
こうした変化を踏まえ、私どもは2025年2月13日に「INPEX Vision 2035」および「中期経営計画2025-2027」を発表しました。2035年に向けて、まずは既存プロジェクトの安全・安定操業を最優先し、「エネルギーの安定供給」という責務を果たしていきます。同時に、これまでに培った組織能力や技術を活かし、CCSや水素をコアとした低炭素ソリューション事業、更にはINPEX「ならでは」の強みを活かした電力関連分野などの新規事業への展開を目指します。
「地球の力で未来へ挑む」、これはINPEXが新たに策定したブランドメッセージです。この言葉には、他社とは差別化された技術・知識・経験を基盤に、長期的な視点でエネルギー供給を支え、持続可能な未来の実現を目指しながら企業価値を向上させていく、という強い決意を込めています。
世界中でネットゼロに向けたエネルギー移行が進む中、今後も、より低炭素なエネルギーの安定的な供給と、持続可能で地球環境に配慮した「責任あるエネルギー・トランジション」を目指して参ります。
株主の皆様方におかれましては、今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。