生物多様性保全の取組み:種子島アカウミガメ保全調査活動を支援

サステナビリティ

株式会社INPEX(以下、当社)は、2025年よりNPO法人アースウォッチ・ジャパン(東京都文京区)を通じ、鹿児島県種子島にて保全調査活動を支援しております。
種子島は国内第2のアカウミガメ産卵地として知られており、本年も6月の8日間にわたり調査を実施し、当社社員および社外ボランティア計48名が参加しました。

本調査は、絶滅が危惧されているアカウミガメが過去に産卵を目的として訪れていた種子島に回帰しているかどうかを確認するとともに、体の大きさや産卵成功率、個体数などを分析し、アカウミガメの保全および産卵地の環境健全化を目的として、2015年より継続して実施されているものです。
また、昨年から新たな取り組みとしてGPS(衛星利用測位システム)機能付き送信機を用いた行動追跡を行っており、非産卵期における生息海域や生態のさらなるデータ収集を進めております。

調査開始前には、研究者や現地NPO法人Turtle Crewのメンバーによる講義を受け、調査方法について学びました。実地調査は、種子島の長浜海岸北部を4つのエリアに分け、夜9時頃より開始し、砂浜を歩きながら親ガメを探索します。産卵個体を確認すると産卵終了まで待機し、その後、慎重に個体識別用の標識装着やGPSの装着、甲羅の計測を行うなどの作業を繰り返し、深夜3時頃まで活動しました。

調査の結果、8日間の調査で40頭の親ガメと延べ49回遭遇し、計33回の産卵を確認しました。なお、産卵のために種子島へ上陸するアカウミガメの個体数は年ごとの増減はあるものの、近年は低水準が続いており、国内の産卵地全体の傾向と一致しています。
また、昨年度以前に種子島で識別されていた回帰個体は今回20頭確認されました。これは、過去10年間の調査において年間1~8頭程度であった回帰個体数を大きく上回る結果となりました。特に調査前半には回帰個体が多く確認され、調査開始から2日間で確認した19個体のうち12個体(63.2%)が回帰個体でした。回帰個体の増加は、非産卵期における生存率の向上を示唆する可能性があり、アカウミガメの保全状況を把握するうえで注目すべき結果と考えられます。

プロジェクトの主任研究者である日本ウミガメ協議会の松沢 慶将会長から、次のようなコメントをいただいております。
「種子島での個体識別調査はINPEXのご支援により、第2期を迎えることができました。第1期の10年間では、長い砂浜のどこでどのように調査すべきか模索しながら進めてきましたが、第2期ではより定量的に調査を実施していきます。GPSによる行動追跡とともに、精度の高い調査データを蓄積することで、回帰できる個体とできない個体の要因解明につなげていきたいと考えています。」

当社は今後も、生物多様性の保全に取り組むとともに、サステナビリティ経営を継続的に推進してまいります。

  • GPS機能付き送信機を装着したアカウミガメ
  • 保全調査活動に参加した当社社員および現地スタッフ
  • GPS送信機により取得したアカウミガメの位置情報