株式会社INPEX
広報・IR ユニット
(電話 03-5572-0750)
株式会社INPEX(以下、当社)は、当社子会社である株式会社INPEXマセラ(以下、INPEXマセラ)を通じて操業主体(オペレーター)を担うインドネシア共和国(以下、同国)アラフラ海マセラ鉱区アバディLNGプロジェクト(以下、本プロジェクト)において、アバディガス田の生産・処理施設等に係る基本設計作業(FEED:Front End Engineering and Design)を先般より開始※しておりますが、今般、天然ガス液化プラント(以下、LNGプラント)のFEED(以下、本作業)につきましても開始することとし、発注先の選定を完了いたしましたので、お知らせいたします。これにより、4つのFEEDパッケージ全てについて委託先選定が完了しました。
本作業は、本プロジェクトにおけるLNGプラントの具体的な仕様等を検討するもので、競争環境の維持を目的に基本設計作業を二つの企業連合が並行して実施する「デュアルFEED」方式を採用しており、日揮株式会社の同国現地法人(PT JGC Indonesia)およびPT Technip Engineering Indonesiaからなる企業連合(幹事会社:日揮)と、PT KBR Indonesia、Samsung E&A, Co. Ltd.およびPT Adhi Karya (Persero) Tbk.からなる企業連合(幹事会社:KBR)によりそれぞれ実施されます。この方式では、FEEDと詳細設計・資材調達・建造(EPC:Engineering, Procurement and Construction)を同一のコントラクターに発注することとしており、技術的かつ商業的に優れた基本設計等を行った企業連合を EPCコントラクターとして選定する方針です。なお、CCS(Carbon Capture and Storage)に関してはLNGプラントのFEEDパッケージの中にも関連するスコープが含まれています。
本プロジェクトの液化天然ガス(LNG)生産量は年産950万トン規模を想定し、その量は日本の年間LNG輸入量の1割強に相当します。またアバディガス田は、世界有数の良好なガス田性状及び埋蔵量を有するため、効率的な開発が可能であることに加え、CCSを取り入れることで長期に亘るクリーンなエネルギーの安定供給や同国及び日本をはじめとするアジア諸国におけるエネルギーセキュリティ向上への貢献を目指してまいります。
今回の基本設計開始により当社が2025年2月に策定した「INPEX Vision 2035」に掲げる「天然ガス/LNG事業の拡大」や「CCSによる自社のGHG削減」の同国での推進に資することが期待されます。また、本プロジェクトは同国、特に発展が求められる同国東部の経済発展に大きく寄与すると同時に、CCSを導入することで同国政府が掲げる2060年までのCO2排出量ネットゼロにも貢献することが期待されます。当社は、今後も同国における更なる事業基盤の強化に積極的に取り組んでまいります。
鉱区 | インドネシア共和国 マセラ鉱区 |
---|---|
契約期限 | 2055年11月15日 |
鉱区面積 | 約2,503平方キロメートル |
水深 | 400~800メートル |
鉱区位置 | タニンバル諸島南西沖合約170~180キロメートル |
生産規模 | 天然ガス総生産量(LNG換算)年産1,050万トン - LNG年産950万トン規模 - 鉱区周辺地域の現地需要向けにパイプラインガス供給を予定 コンデンセート日量最大約3.5万バレル規模 |
権益比率 | INPEXマセラ:65%(オペレーター) PT Pertamina Hulu Energi Masela:20% PETRONAS Masela Sdn. Bhd.:15% |
その他 | 2017年6月にインドネシア政府からNational Strategic Projectに、更に9月にはPriority Infrastructure Projectに認定 |
-
<プロジェクトコンセプト図>