株式会社INPEX
広報・IRユニット
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株式会社INPEX(以下、当社)は中部電力株式会社(以下、中部電力)との間で、日本国内で排出される二酸化炭素(以下、CO2)を分離・回収し、名古屋港からオーストラリアへ輸送、地下貯留するに至るまでのCCS※1バリューチェーン構築に向けた事業(以下、本事業)の実現可能性について、2024年10月より共同検討※2を実施して参りましたが、同検討についての初期的な成果が得られたことを受け、本事業の実現可能性を高めるべく、共同検討を継続・発展させるための新たな合意書(以下、本合意書)を中部電力と締結しましたので、お知らせいたします。
※1 Carbon Capture and Storage:CO2の分離回収・貯留
本合意書に基づき、当社は中部電力とともに、同CCSバリューチェーン構築に向けて、最適なCO2輸送方法や日豪の法制度における環境を踏まえたスケジュールの検討等に取り組んでまいります。
本合意書は、本日マレーシア・クアラルンプールで開催されたアジア・ゼロエミッション共同体※3(以下「AZEC」)の第3回閣僚会合の覚書式典において、日本とAZECパートナー国間の協力案件として紹介されました。
※3 アジア各国が脱炭素化を進めるという理念を共有し、エネルギー・トランジションを進めるために協力することを目的に、2023年3月にパートナー国とともに立ち上げられた協力枠組み
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AZEC第3回閣僚会合における覚書式典の様子
当社は、TotalEnergies CCS Australia社およびWoodside Energy社と共同で推進するボナパルトCCS共同事業(以下、同事業)を始め、複数のCCS事業に携わっていますが、2025年4月には同事業の開発に向けた概念設計(Preliminary Front-End Engineering Design/Pre-FEED)を開始しており※4、2030年頃のCO2圧入開始を予定しています。同事業は、将来的に年間1,000万トン以上の炭素貯留能力を有することが期待されており、2025年7月にオーストラリア連邦政府による重要プロジェクト認定(Major Project Status)を受領しています※5。
当社は、2025年2月にINPEX Vision 2035として「責任あるエネルギー・トランジション」の実現を発表しており、その中で成長軸としてCCS及び水素をコアとした低炭素ソリューションの提供を2035年に向けて進めていくことを目標としております。その過程において、CCSを通じてインパクトのあるGHG削減を行い、更には第三者に対してもCCS及び水素をコアとしたGHG削減ソリューションを提供することを目指します。
2025年9月には、当社はオーストラリア・北部準州政府との持続可能な開発及び2050年までのネットゼロ社会に向けた移行の促進の枠組みを提供するための戦略的合意を締結しました※6。同戦略的合意は、北部準州政府が計画するダーウィンCCUS※7ハブ構想と一致しています。
※7 Carbon Capture, Utilization and Storage:CO2の分離回収・利用・貯留