基本的な考え方
世界約20か国でプロジェクトを展開する当社にとって、資機材・役務・工事の調達、及び、それらを提供するサプライヤー各社(コントラクター含む)との適切な関係構築は重要な課題の一つと認識しています。当社では、公正かつ公平な競争を阻害する行為の禁止、優越的地位濫用の禁止、サプライヤーの情報や技術の機密保持、不適切な利益授受の禁止などを「調達倫理指針-細則」に明記し、調達業務の基本方針のみならず、当社の役員及び従業員が、経営理念やサステナビリティ憲章、及び業務を遂行する上での遵守事項をまとめた「行動規範」のもと、社内の調達関連部署において遵守・実行することを規定しています。また、サプライヤーマネジメントの一環として毎年開催しているサプライヤーフォーラムでは、当社国内事業における国内サプライヤー約100社を招待し、当社の実施するCSR(Corporate Social Responsibility)自己評価アンケート及びCSR監査について説明及び協力依頼をいたしました。今後も同フォーラムや定期的にサプライヤーの能力や環境・社会・ガバナンス(ESG)パフォーマンス向上のための機会を設けることで、サプライヤーとの関係をより一層強化し、競争力のある調達を実施するとともに、CSRを含むリスク管理、パフォーマンス評価などを実施し、サプライチェーン強靭化に努めていきます。
調達に関する実績
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1サプライヤーは、直接取引先のみ(2次サプライヤーは含まれない)
マネジメント体制
取締役会は、「調達倫理指針-細則」及び「行動規範」に基づき、企業倫理・企業行動に関する事項について説明責任と意思決定責任を負っています。サプライチェーンに関する問題が生じた場合には、サプライチェーン担当役員が取締役会に速やかに報告、当該報告を踏まえて取締役会が適時かつ適切に判断・決定を行うこととしております。また、毎年12月に開催される、代表取締役社長やコンプライアンス委員会委員長などを構成員とするサステナビリティ推進委員会においては、当社のサプライチェーンマネジメントに対する社外評価及び今後の取組み方針について審議を行っています。
サプライヤー行動規範及びサプライヤー行動規範ガイドライン
サプライヤー各社の協力のもとサプライチェーン全体のESGリスク低減に取り組んでいくため、当社がサプライヤー・コントラクターに要請するESGに関する下記7事項を明文化したサプライヤー行動規範を2022年7月に制定しました。
サプライヤー行動規範
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 人権・労働 | 児童労働や差別の撤廃、安全かつ衛生的・健康的な労働環境の確保を含む労働者保護など人権に関する原則 |
| 公正な企業活動 | 贈収賄、談合・カルテル、反社会的勢力との関係の禁止など |
| 環境 | 事業活動による環境破壊の防止、CO2削減など |
| 機密保持 | 事業活動を通じて得た個人情報、秘密情報の保護 |
| 地域社会との共生 | 地域社会との共存、共栄の推進 |
| 不正予防・発見 | 従業員に対する啓発と報告窓口(ホットライン)の設置 |
| 情報開示 | ESGに関する情報発信と透明性の確保 |
本行動規範は、当社ホームページにて公開するとともに、標準契約書の中に含める形式でサプライヤーに遵守を求めています。
2023年6月には、サプライヤー行動規範の内容をより深く理解し遵守いただくために、解説・対応例をまとめたサプライヤー行動規範ガイドラインを発行しました。
サプライチェーン管理
当社は、グループ全体で、約2,100社のサプライヤーを通じ、年間で約2,900億円に及ぶ調達を行っています。このうち、主要サプライヤーからの調達額は約2,300億円に及びます。サプライチェーン上のリスクを管理するために、以下のような取組みを行っています。
まず、サプライヤー選定においては、案件に応じて国内外のサプライヤーに調達取引の機会を提供し、新規サプライヤーからの調達も積極的に検討します。サプライヤー選定プロセスでは、原則として複数社による入札または競争見積を行い、品質、価格、納期、技術力、安定供給の観点から総合的に評価しています。これらの評価にあたっては、各国の法令遵守、当社贈収賄・汚職防止(ABC)ポリシー、HSEに関する労働安全パフォーマンス、CSRリスク管理など、ESGの観点も考慮し、公正性・公平性に配慮した調達活動を実施しています。以上の観点から当社の条件を満たすと判断した場合にのみ、見積もりの依頼を行います。
また、契約時においては、労働・環境に関する法令や前述の「サプライヤー行動規範」の遵守、人権方針の尊重などを求め、契約書に遵守事項として盛り込んでいます。
当社のサプライチェーン部門員に対しては、調達活動に関連する独禁法、取適法(旧下請法)などの関連法規、情報セキュリティ、及びABCポリシーの社内講習などの受講を促し、コンプライアンスの遵守に努めています。
また、2024年度より当社グループ全体のサプライチェーンを強化するため、海外拠点のサプライチェーン部門とグローバルサプライチェーンフォーラムを開催しており、本フォーラムのアジェンダの一つとしてCSR関連業務に関する課題認識、及び取組み事例の共有などを行いました。
さらに、サプライヤースクリーニングとアセスメントを通じて、調達プロセスの見直しと改善策の議論を実施し、サプライチェーン全体のリスクに対しての予防・低減策の検討・実施に努めています。具体的な実施内容については以下に記載のとおりです。
サプライヤースクリーニング
当社の国内事業においては、サプライチェーン上のESGリスク及びビジネス重要度を踏まえて、サプライヤースクリーニングを2段階で実施しています。
まず、1次スクリーニングとして、発注金額が一定金額以上のサプライヤーへCSR自己評価アンケートを送付しました。アンケートの点数(ESG項目)を基に、セクター及びコモディティリスク(人権リスクが高い業種・商品)及びカントリーリスク(人権リスクの高い国)があると判断されたサプライヤーを2次スクリーニングし、CSR監査を実施しております。こうしたリスク評価の記録は適切に管理され以後のサプライヤー選定などに活用されます。
スクリーニングで特定された主要サプライヤー及び上記の取組みを通じてリスクが高いと評価されたサプライヤーに対して、サプライヤーアセスメントを実施し、改善活動の促進、契約見直しを含むリスクの回避・低減などを図っています。
サプライヤーアセスメント
当社では、発注額上位のサプライヤーを中心にCSR自己評価アンケートを利用したアセスメントを毎年実施しています。2025年度には人権デューデリジェンス結果を踏まえて、当社の特定した顕著なリスクについての調査範囲を拡大するため、大幅に内容を改定し、人権・労働、労働安全衛生、調達慣行、地域社会、環境、コンプライアンスなどの質問を設け、サプライヤー行動規範の遵守事項を超えた環境、社会、ガバナンス評価を実施しております。2025年度は60社から回答を受領、うち主要サプライヤーからは14社受領しました。過去3年間ではサプライヤーの37.6%に対しCSR自己評価アンケートを実施しています。さらに2025年度は、当社主導の第二者監査を、CSR自己評価アンケートを用いて4社に対し実施しました。また、定期的に、外部コンサルタントの基準(ILO条約、SA8000などの国際基準を元に作成)を利用し、環境、社会(労働、賃金と労働時間、安全衛生)、管理システムの観点から工場や建設現場などでの第三者による実地監査を実施しております。これらのアセスメントの結果、サプライチェーン上における人権・労働・環境などの社会的要請に関して、重大な事項は確認されていません。また、これに伴い是正措置の実施も行っていません。
ケーススタディ:INPEX Australia地元企業採用計画
イクシスLNGプロジェクトに関する「INPEX Australia地元企業採用計画」は、オーストラリアのサプライヤーに対し、公正、公平かつ合理的な形で事業機会を提供することを約束するものです。これらの取組みは、当社の契約及び調達プロセスを通じて、サプライヤー及び請負業者に展開されています。また、提出された計画や目標に照らし、ローカルコンテンツの達成状況を確認するため、主要なサプライヤー及び請負業者との間で定期的な進捗報告を実施しています。
INPEX Australiaのウェブサイトに設けられているサプライヤー向けポータルでは、INPEX Australiaとの取引機会を希望するサプライヤーに対し、必要な情報や案内を提供しています。※1
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