人権マネジメント体制
当社の人権に関するガバナンス体制は、「サステナビリティ推進体制のガバナンス」に記載のとおりです。
人権に関する取組み
当社は、国際人権章典、ILO国際労働基準、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)、国連グローバル・コンパクトの人権に関する原則などの国際規範を支持しています。
当社はサステナビリティ憲章、行動基本原則及び行動規範、人権方針、その他各種方針において、全ての役員及び従業員に対し法令遵守はもちろんのこと、社会規範を尊重し、高い倫理観を持った行動をするよう義務付けています。
「サステナビリティ憲章」においては、当社の事業活動を通じて社会的責任を果たし信頼される企業であり続けるために、従業員をはじめ事業に関わる全てのステークホルダーとの信頼関係の構築、維持に努めることを概説しています。
とりわけ、当社が事業活動を行う地域社会との強固な信頼関係の構築は、Social License to Operate(社会的操業許可)を保持するための基盤であると考え、企業情報を積極的かつ公正に開示することをコミットしています。オープンかつ透明性の高い対話を通じ、ステークホルダーとの信頼関係の構築、維持に努めています。
INPEXグループ「行動基本原則」及び「行動規範」においては、当社が事業を展開する国々における人権の尊重をはじめとして、役員及び従業員が守るべきことを概説しています。
これらに基づいた企業倫理・企業行動を徹底するため、当社では、取締役であるコンプライアンス担当役員を委員長としたコンプライアンス委員会を設置しています。コンプライアンス委員会については、「コンプライアンス体制」をご覧ください。その他、事業活動における人権尊重への取組みは、関連する複数のコーポレート部門及び各事業部門で部署横断的に対処しています。
また、「INPEXグループ人権方針」は、国連ビジネスと人権に関する指導原則を反映したものであり、2017年に策定・公表されました。同方針に基づき人権デュー・ディリジェンスの実施ならびに事業活動を行う国・地域において、当社の事業活動に関連する全てのパートナー及びサプライヤーに対して理解・協力を要請し、周知徹底と遵守に努めています。
これらに基づいた人権への取組みを徹底するため、当社の経営企画ユニットとコンプライアンスユニットが企画、サプライチェーンユニットをはじめとする各事業部の協力のもと人権デュー・ディリジェンスを実施しています。
個別方針
当社グループは、事業活動に関わるバリューチェーン上の全てのステークホルダーの人権に配慮しています。
現代奴隷及び人身売買への対応
2015年に英国、2019年に豪州で施行された現代奴隷法に基づき、当社グループは、自社事業及びサプライヤーにおける、労働力搾取及び人身取引の防止への取り組みに関して、毎年ステートメントを公表し、サプライチェーンにおける人権侵害の防止に取り組んでいます。また、2022年度に施行されたよりノルウェーTransparency Actへの対応として、2022年度より毎年人権・労働条件に関するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、その実施状況のレポートを開示しています。詳細は「現代奴隷法への対応」をご覧ください。
児童労働の防止
「行動基本原則」及び「INPEXグループ人権方針」において、児童を就労させないこと、及びこれを容認しないことを明記し、事業活動全体において就労者の年齢確認などその徹底を図っており、人権デュー・ディリジェンスを通じて、児童労働のリスクを特定・評価し、必要な是正措置及び救済を講じる仕組みの整備・運用に取り組んでいます。
サプライチェーンにおいても、「サプライヤー行動規範」及び「サプライヤー行動規範ガイドライン」に児童労働の禁止を明記し、サプライヤーに対してこれらの方針に基づく取組みの実践を要請しています。
また、当社の社会貢献活動の基本方針の一つに「次世代育成」を掲げ、操業地域での次世代育成支援を行っています。詳細は「各国での社会貢献活動」をご覧ください。
警備会社との対話
当社グループの操業地域においては、VPSHR(安全と人権に関する自主原則)に示される安全と人権に関する考え方を反映し、セキュリティに起因する社会・人権リスクを社内規程に基づき評価・管理しています。
インドネシアでは民間の警備会社を利用して、定期的にセキュリティに関するKPIのモニタリングと評価を実施しています。2025年度には、VPSHRの精神と人権尊重のための各規定の遵守を強化することを目的に、現地警察や国軍、警備会社及び当社の保安要員に向けた「セキュリティと人権」に関する啓発プログラムを実施し、プログラム実施後には参加者による好事例などを交えた意見交換を行いました。
役員・従業員への人権研修
さまざまなステークホルダーの人権を考慮しつつ日々の業務に取り組む重要性の認識を深めるために、2017年度にINPEXグループ人権方針を制定した際、人権に関する研修を全役員及び従業員を対象に実施しました。
以降も新規採用者に向けて経営企画ユニットによる人権研修を毎年実施しています。人権研修では、当社の企業倫理の理解とINPEXグループ人権方針の浸透を図るとともに、国連ビジネスと人権に関する指導原則をはじめとする、国際的な人権原則の遵守を求める内容となっています。
また、人権の尊重は各人事研修でも強調され、内部通報の実務に関する研修やハラスメント対策研修も毎年実施されており、誠実さ、尊敬、公正さをもって他者に接することの重要性を説明しています。詳細は「コンプライアンス推進に向けた取組み」をご覧ください。
先住民族及び地域住民の権利の尊重
先住民族及び地域住民の権利尊重のため、プロジェクト初期段階にはプロジェクトサイト周辺のステークホルダーを特定、マッピングし、積極的にコミュニケーションを行っています。特に環境社会影響評価では、国際的な環境社会ガイドラインであるIFC Performance Standardsに基づき、地域社会や先住民族への対応と継続的な対話を実施しています。
具体的には、地域社会への負の影響を回避するためにアセスメントチームを編成の上、以下の項目を評価しています。
- 住民移転:非自発的住民移転を伴うプロジェクトの住民に対する移転・補償に関する説明、移転前の同意、移転後の生活基盤の回復、正当な補償、移転する住民のうち、特に社会的弱者への考慮
- 生活・生計:プロジェクトによる住民の生活への影響
- 文化遺産:考古学的・文化的・宗教的・歴史的遺産、史跡などへの影響
- 景観:景観への影響
- 少数民族・先住民族:少数民族・先住民族の権利の侵害、文化・生活様式に対する影響
影響評価においてはステークホルダーとの対話を行い、その結果を事業計画に反映し、問い合わせや苦情対応を含む、継続的な地域社会との対話機会を提供しています。