事故削減への取組み

事故を未然に防ぐ取組みとして、これまでと同様、事故からの教訓の周知を徹底するとともに、重大な事故や負傷事故に対しての発生傾向を分析し、継続的に情報共有を実施しています。

また、事故管理に係る安全先行指標である「事故調査の実施状況」、「優先度が高いとされた是正措置の実施状況」のモニタリングを実施し、事故発生後の迅速な調査や是正対応を強化しています。

事故調査は事故発生後速やかに実施され、調査結果は、事故発生から重大性に応じて7~40日以内に提出することが義務付けられており、速報や事故教訓を「HSEポータルサイト」などで全従業員へ周知しています。2025年度中に報告された事故は全て調査され、是正対応が実施されました。

さらに、死亡リスクが高い作業を安全に行うための安全原則「ライフセービングルール」を定着させることにより、重大な事故を防止するべく取り組んでいます。特に負傷事故の8割以上を占めるコントラクターに対して、ライフセービングルールの周知徹底に努めています。また、当社のイクシスプロジェクトにおいては、コーチングプログラムやコントラクターとのHSEフォーラムを実施し、従業員・コントラクターのさらなるHSE意識の向上を促進しています。

また、緊急時への対応及び事業継続計画(BCP)については、「緊急時対応と事業継続計画への取組み」をご覧ください。

プロセスセーフティ管理

可燃性流体などの危険物質の漏えいやそれに起因する火災、爆発などに代表される重大事故災害の発生防止及び影響緩和を目的として、適切な設計思想、エンジニアリング、操業・保守点検手法に基づき、操業システム及びプロセスの健全性を管理するための枠組みを、プロセスセーフティ管理と呼んでいます。

プロセスセーフティ管理を徹底することで、施設などのプロセスからの漏えいの発生防止を目指しています。

当社のプロセスセーフティ管理の枠組みは、四つの重要エリアとそれを支える20の要素で構成され、各要素にはオペレータープロジェクトが遵守すべき詳細な項目が設定されています。プロセスセーフティ管理の一環として、体系的なリスクの特定及び評価作業を通じて施設のプロセスからの漏えいに起因する重大事故災害の発生を防止しています。また、重大事故災害発生時の影響を軽減するために十分な対策を施していることを示す文書である「セーフティケース」の策定制度を自主的に操業施設に導入し、リスクがALARPであることを確認しています。

2022年度には「プロセスセーフティ管理の継続的改善のためのロードマップ2023–2027」を作成しました。本ロードマップは、五つの重点分野において、INPEXグループ各事業体が2027年までに同じ成熟度に到達するための道筋の概略を示しており、継続的な改善を体系的に実行することを目的としています。2023年度以降、本ロードマップを実行し当社のプロセスセーフティ管理の強化を図っています。2025年度は、全社的なプロセスセーフティ管理の力量確保の仕組みの運用に向け、オペレーション事業体責任者に対してリーダーシップ発揮の重要性を認識するための啓発活動を実施するとともに、各事業体で試験運用の準備を進めています。さらに、プロセスセーフティ事故を含む全社的なHSEリスク管理・報告プロセスの改善や、業界事故事例の分析なども取り組みました。前年に引き続き、水素アンモニアCCUS分野へのプロセスセーフティ知見の活用も継続しています。

プロセスセーフティ管理の枠組み
プロセスセーフティ管理の枠組み

HSE文化の醸成

当社は、HSE最優先の考え方を組織に浸透させるために、これまでにHSEMSを整備するとともにHSE教育訓練を実施し、さらにはLFI(Learning from Incidents)※1を全従業員に向けて共有するなどのHSE文化の醸成に向けた取組みを実施しています。

HSE文化の醸成のための施策の一環として、組織や個人の士気向上やHSE意識の向上を図り、当社グループ全体のHSEパフォーマンスを向上させることを目的に、コーポレートHSE表彰を毎年実施しています。2025年度には、HSE優秀賞として団体1件、HSE活動賞として団体5件、個人1件、特別賞1件の計8件が表彰されました。

2025年度コーポレートHSE表彰式
2025年度コーポレートHSE表彰式

また、当社のHSEに対する意識を向上させるためには「マネジメント自らリーダーシップを発揮することが重要」という考えから、マネジメントが中心となって、積極的にHSE活動に取り組んでいます。

当社では、マネジメントがHSE管理におけるリーダーシップを発揮し、また、マネジメントと現場従業員の間でHSEの取組みや課題に関して直接対話による意見交換及び議論を行う有益な機会として、マネジメントサイトビジットを重視しており、各現場に対して、マネジメントがHSE管理に関する一貫性を持ったメッセージを発信することにより、当社グループ全体のHSEに対する意識向上を目指しています。2025年度は、代表取締役副社長4回、HSE担当役員1回を含む、役員による国内5件のマネジメントサイトビジットを実施しました。

  • 柏崎水素パーク建設現場におけるコントラクターとの対話
    柏崎水素パーク建設現場におけるコントラクターとの対話
  • 柏崎水素パークのプラント視察
    柏崎水素パークのプラント視察

2025年7月に実施されたHSE担当役員による柏崎水素パークの建設現場訪問では、HSE担当役員から当社が重視しているライフセービングルールの徹底と危険を感じた際には躊躇なく作業を停止する安全最優先のメッセージを伝えました。また、プラントのプロセス機器や安全設備を確認し、水素・アンモニアなどの可燃流体を取り扱うことのHSEリスクや緊急時対応などについて議論を行いました。

  • ※1
    事故調査で得られた事故からの教訓

HSE力量向上のための教育訓練

2025年度は、延べ585名の従業員が社内講習会ならびに訓練に出席し、当社として合計775時間のHSE教育訓練を実施しました。これらに加え、若手技術系社員には、労働安全管理やプロセスセーフティ・エンジニアリングに習熟するために、継続的に国内外での実践的な社外研修の機会を提供しています。

さらに、HSEを担当する従業員には、専門分野別の育成目標を見据えて、OJT(On the Job Training)の機会や専門機関が主催する講習への参加などを通して、HSE力量の向上を図っています。引き続き2025年度も従業員へ教育訓練の機会を提供し、HSE力量の向上に努めます。

また、当社のコントラクターに対しては、全ての拠点において入構者教育を100%実施しています。

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